● フランス人は「老い」を愛する:賀来弓月

Prime Reading で目について読んだ本。

エッセーのような内容で、フランスの修道院介護施設でボランティアをしていた元外交官の方がフランスに学べるところを書いたもの。

 

フランスでは年老いた人に対する悲しい目が少なく、

老後を楽しみにする人が多いというのは面白い。

 

作中で心に刺さるのが、著者が地方の高校生に「老人」のイメージを聞くと

さげすみの言葉多く、「いつもさみしくてかわいそう」ということ。

 

確かに、日本以外は町中で知らない人に話しかけるのは普通。

日本だと、女性が話しかけても、警戒される気がするよね。

カフェで隣の人と話すことはほぼないし。。。

 

アメリカもだけど、すれちがい、同じエレベーターの中、

そんなところで髪型や持ち物を褒めて、会話に進むことが多いなあ。。。

 

ノースカロライナではアジア人が珍しいから、

スーパーのレジの人もめっちゃ話しかけてくれていた。

(私の後ろに待ち列はあったけどww)

 

私が目指すものとして、年を取ってからも

ボランティアをして、社会のためになる、人と関わりを持つということ。

最後に目を閉じるまで、なにかの為になりたいとは思う。

 

あとは祈り。

日本人は祈らないよねえ。。。

お願い事をするというより、心を落ち着ける習慣。

これは私も真似すべきと思っている。

 

この本を読んで、ゆったりと過ごすことの大切さ、

楽しめて、社会のためになる老後をどう過ごすべきか、

30歳くらいから考える大切さを感じた。

 

だって、引退しても、そこからうまくいくと30年くらい生きられる

30年あったらなんにでもなれる気がするw

 

そこそこの田舎で(車はあった方がいいけど、公共機関もある)

大きな土地で、猫と暮らしたいなあと思いました。

★ AMY

27 歳クラブで亡くなったエイミーワインハウスさんの

ホームビデオという感じでした。

(ドキュメンタリーとか再現ではない)

 

私は曲を聞いたことがなくて、

歳が近くて、破天荒な人、くらいのイメージでした。

 

 

以下が変ったところ。

- ユダヤ

- 本人自体が破天荒なわけではない

- 誰かが悪いわけではないが、彼女を早死にさせたのは

やはりハゲタカのような存在があったからだと思う

- ジャズシンガー!

- Lady GAGA と少し似ている(Netflix にある Lady GAGA のドキュメンタリーも一緒に観るとよいと思う)

- イギリス人!

 

彼女の歌を聞くと、ほぼ彼女が体験したこと。

彼女は過食症(たくさん食べて、吐いてしまう)だけど、

歌も同じような感じがした。

 

たくさん喜怒哀楽を感じて(歌手の人は一般人が摩耗してしまった感情をきちんと生きている)

それを半分消化して、残りは消化しきれないで、

歌として、吐き出す感じ。

 

危うい瞬間は誰にでもある。

私も若いころは、食べても吐けばいいと思っていた。

20 歳より前にタバコは吸っていたし、無理してお酒をたくさん飲むこともあった。

 

そこから、多くの人が「ちょっと危うい時期もあったけど、一般人」になれるのは

どこが違うんだろうと思った。

 

このドキュメンタリだけ見てると、

お父さん(お金稼ぎたい)、プロモーター(契約どおりに進めることが仕事)、

元夫(彼女の金でヤク買いたい)が悪いように見える。

 

ただ、私が自分の子供がものすごく成功して、

そのマネジメントだけになれるなら、

ツアーをして、ライブをすることを進めたがると思う。

カメラを入れて、少しでもお金になるなら、

やると思う。

 

薬物に依存する人の気持ちは正確にはわからないけど、

お金がかかる薬物にそもそもハマってたら、

金づるはありがたいと思う。

 

マネージャーなら、仕事を進めなければ、

言い訳や、違約金もある、自分の給与も払われない。

 

で、あれば、エイミーの周りの人に、

エイミーの早死にはお前のせいだ!なんて言えない。

 

私がもし彼女だったら、四六時中、カメラを持った人が家の前にいて、

テレビでジョークのネタにされ、

非難される(エイミーの時代より、インターネットはひどい)

やっぱり、なにかを逃げ場にしたくなる。

 

ただ、彼女をうらやましいと思うところは、

私が死んでも何も残らない。それはそれで正しいと思う。

彼女には歌がずっとどこかで残る。

★ シャッターアイランド

マーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオの名コンビ。

そうは言っても、あまり見たことないけど。。。苦笑

 

自分のいま感じている世界と、

自分が自分と思っているモノは果たして、他の世界から見ても、

他の人から見ても、同じものなのか。。。

 

最後の大どんでん返しと、結末をどう捉えるか、人によって議論ができる映画。

痛快なドンパチも好きだけど、捉え方がいろいろある映画もいいね。

エヴァもそうだしね)

レオ様、本当に演技というか、人となりがすごいな。。。

冷や汗とかも含め、この人、タイタニックのときの王子とは別物。

 

主人公のレオ様は保安官。

シャッターアイランドという孤島は、犯罪者で精神的に病んでいる人を収容している。

その中の女性ひとりが失踪。

レオ様はその事件を解決するために初見の相棒と島に向かう。

どうやら島では患者(犯罪者)に不当な手術をして、洗脳しているらしいとのこと。

 

凶悪犯罪者が収容される C 棟。

徐々に真相に近づいていく。。。

 

この映画で初めて知ったのだが、実際にロボトミー手術というものが

精神病の患者に行われていた歴史があるようだ。

脳みその一部を手術で切り取ることで、患者は穏やかに(扱いやすく)なるらしい。

 

真実に近づいていったレオ様だが、

実は、戦争でナチスの収容所を見たトラウマ、

実は、妻が病んでしまい、子供 3 人を殺してしまったトラウマ、

その影響で、自分自身がその施設の患者だったのだ。

 

最後に穏やかに決断を下すレオ様、

彼に平穏が訪れたと思いたい。

 

いまも、戦争や殺人はあり、その後遺症に苦しむ人はきっといるから、

そういう人はどんな治療を受けているのか興味を持った。

https://www.netflix.com/search?q=%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89&jbv=70095139&jbp=0&jbr=0

 

★ ライオン 25年目のただいま

映画館で観るか迷ったけど、明らかに泣かせにかかっている気がして

観なかったライオン。

 

インドで迷子になった少年が、オーストラリアで養子になり、

Google Earth を使って、生家を 25 年ぶりに見つけ、母と再会するお話し。

 

なぜタイトルがライオンなのか、最後まで見るとわかります。

私が仕事で出会うインド人はみんな超優秀、恵まれた家庭の子が多いので

まさかこんな実情とは知らなかった。

 

インドで年間 8 万人の子供が行方不明になる。

幼いころからの労働、死と隣り合わせの環境、

当然はい出せるチャンスは生まれた場所によってかなり少ない。

 

ただ、私たちから見ると劣悪に感じる環境でも

そこに幸せや安らぎは確かにある。

(少年は石を運ぶ仕事をしたり、石炭を列車から盗んでいる)

 

大筋は予想通りだったが、

いなくなった主人公を探すうちに兄は列車に轢かれて死んでしまった。

親切にしてくれた路上で暮らす子供たちは人さらいに連れていかれてしまう。

優しいお姉さんは、主人公に親切にするも売り飛ばそうとする。

養父たちは自分たちが子供を作って育てるより、養子で恵まれない子供を育てる方が

世界のためになると信じ養子を取る。

 

主人公が養母に言う「まっさらな子供だったらよかったのに。僕たち(弟もインドから養子に取られる)は過去を背負って、家族にならなければならない。」

 

気づくと、目を奪われてしまい、集中して見ることができた。

手に汗握る、というわけではないが、じんわり身体が熱くなるのを感じる。

https://www.amazon.co.jp/LION-%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3-25%E5%B9%B4%E7%9B%AE%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%81%A0%E3%81%84%E3%81%BE-%E5%AD%97%E5%B9%95%E7%89%88-%E3%83%87%E3%83%B4%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%86%E3%83%AB/dp/B075MSDLZJ/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3&qid=1588463759&s=instant-video&sr=1-1

★ ドクタースリープ

シャイニングは珍しく 2 回以上観ているので、

その続編のドクタースリープは映画館で観るか迷うほどでした。

(結果的に大きな画面でひとりで観るのが怖くて止めてしまった)

 

主人公は、シャイニングで父を亡くした少年ダニーが大人になった時のお話し。

おもえば、この家族は自主的に自粛・引きこもり生活をしていたんだな。

ホテルで 3 か月間も。

 

大人になったダニーは、過去への想いや、

ホテルから引き連れてしまった亡霊に悩まされ、

アル中で苦しんでいた。

ユアンマクレガーが演じているが、皮膚が骨格からだぶついて余っている感じ

不摂生な感じがよく出ていた。

 

キューブリックに思い入れがあるわけではないが、

人という生き物の怖さをシャイニングでは感じた。

豹変していく父親は決してモンスターではなくて、

誰の心にも現れる凶暴さだと思う。

 

本作では、ダニーは自分の過去や、ホテルから引き連れてきてしまった亡霊を

自分の心のなかの "あの" ホテルに閉じ込める。

自堕落でも、シャイニングは使わない生活をしているが、

より強いシャイニングを持つ、少女と出会ってしまう。

 

少女は、シャイニングを持つ野球少年が、

シャイニングを食い物にして、半永続的な命を手に入れている集団に

無残に殺害されたことを知り、戦おうとする。

 

少女ならではの、無鉄砲や相手に挑む気持ちも

非常に心地よい。

(今よりも若いころはもっと世間自体に怒りをきちんと感じていた)

 

人間の本性や、誰もがもつ凶悪性はもちろんだけど、

私が注目するのはシャイニングを食らう人々。

ローズという女性をリーダーに半永続的に生きる人の集団なのですが、

ローズは共同体という仲間を手に入れたことを言っていた。

 

だれもが人を傷つけてしまうかもしれない凶暴性を持ちながら、

共同体で生きる意味を探しているんだろうと思った。

 

http://wwws.warnerbros.co.jp/doctor-sleep/index.html

● 池波正太郎:男の作法

池波正太郎の小説は多々読んでいたのですが、

エッセーのような本書は初めて読みました。

エッセーというより、「押しつけがましくない個人の考え方」という感じ。

(それがエッセーやねん!って言われたら、そうなんだけど)

 

そもそも各章のタイトルが秀逸。

てんぷらは腹をすかして、親の仇のように揚げたてを食え!的なやつとかwww

 

考え方に筋が通っていて、それでいて

今の時代に合わないけど、依頼があったのでしたためるよ、決して他人に押し付けないからね、という姿勢も非常に好感が持てる。

 

女性に関しての考え方や、身のふるまいは今も同じことはできないけど、

かっこいいなあとおもえてしまう。

 

小学校しか出ていなくて、原稿を書いて、物書きになったのは本当に尊敬する。

例えば、占いに関する考え方も、すべて占いどおりには運命が動かないけど

気を付けるきっかけになればいいじゃない!という考え方も好き。

 

たしかに、「今年は厄年だから、イラっと来たけど、これで縁を切ってしまうなんてあかんな、気をつけよう。自分から怒らず会話してみよう」とおもえたら、占いも本望だと思う。

 

若い人への言葉に

「プロセスを大切にしてほしい」と言っている。

役所で税金を集める係をしていたことがあるんだって(びっくり)。

イヤな仕事や下の仕事をやるべし。。。と。

そして、毎日1000円ずつ払えるように通ったり、

自分のポケットから滞納者の香典を払ったり、、、

でも結果、そういう人が納税してくれるようになると。。。

 

努力だけだと報われなかったときにがっくりくるから

楽しんだものが勝ち。

 

何度も読み返したいな。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00ASUY3Q4/ref=ppx_yo_dt_b_d_asin_title_o00?ie=UTF8&psc=1

★ 聲の形

京アニの作品。

これを作った人の中の誰かが、あの凄惨な事件に巻き込まれたのかと思うと

痛ましい気持ちにもなるが、こうやって、作品は残るんだなあ。

私が死んでもなにも残らないな。。。と思いました。

 

小学校のときに、転校生で耳の聞こえない子が来て、

その子をめぐって、いろんなことが起こる。

主人公の男子は、いじめの首謀者で、かなりひどいことをする。

ただ、おとなになって、自分の関係ないところで

見ているので、「ひどいな」と思うけど、

実際に小学生でその場にいたら、そう思えないかもしれない。

他の女子のように悪口を言ったり、

ハブにしたりすると思う。

 

心の中と、行動が繊細に書かれていて、

解説やわかりやすさが際立たず、見る人が自分で考えたり、

集中して、見て、ほどいていく映画でした。

 

川井さんって女子は嫌いだけど、こういう人いるよなーって思うし、

思春期の世界が嫌になる瞬間とか、

いまより、きっといろんなことにささくれだってたなって思った。

 

私も小学生のころ、輪番みたいに無視されて、

教室にひとりでいたけど、誰にも言えなかったことを思い出した。

 

最初にヒロインの耳の聞こえない子の話すのを聞くと

(耳が聞こえない人ってはっきり発音できないので)

少しびっくりしてしまう。

きっと本人の前だったら、察されてしまうんだろうな。

反射的な差別・区別をなくせるようにしたいな。