約3時間あっという間だった。
小説も読んでて、小説は少し文体がトリッキーだから、牛歩だったんだけど、映像で見たら引き込まれた。
絵本を見るような古いフィルムを見るような
誰が監督か知らなかったり、覚えてなくても、
映像に署名があるような作品でした。
タイトルは poor things で複数形だから、
かわいそうなのは主人公じゃなくて、
人間そのものなのかもしれない。
主人公は天才外科医に救われた胎児を移植された成人女性。
その天才外科医も父に実験台にされ
変な体になっている。
面白いと思ったのは、父に体をいじられて、
胃酸は出ないし、生殖機能もなくされたのに、
父に対する憎しみが感じられないこと、むしろ畏怖を感じていること。
その娘もまた医者になる。
憎しみのない虐待みたいだと思った。
もちろん違うこともあるけど、虐待された人が自分の子供を虐待してしまうみたいな。
憎しみの連鎖ではないかと、
連鎖を感じました。
本当は脳みそは赤ちゃん、
身体は成人の主人公が学び、経験し、人間というものの矛盾や醜さに向き合っていくところが見どころなんだろうけど、
それ以外の些細なところにも手が込んでいて、
むしろ、そちらに惹かれてしまう。