★ ドクタースリープ
シャイニングは珍しく 2 回以上観ているので、
その続編のドクタースリープは映画館で観るか迷うほどでした。
(結果的に大きな画面でひとりで観るのが怖くて止めてしまった)
主人公は、シャイニングで父を亡くした少年ダニーが大人になった時のお話し。
おもえば、この家族は自主的に自粛・引きこもり生活をしていたんだな。
ホテルで 3 か月間も。
大人になったダニーは、過去への想いや、
ホテルから引き連れてしまった亡霊に悩まされ、
アル中で苦しんでいた。
ユアンマクレガーが演じているが、皮膚が骨格からだぶついて余っている感じ
不摂生な感じがよく出ていた。
キューブリックに思い入れがあるわけではないが、
人という生き物の怖さをシャイニングでは感じた。
豹変していく父親は決してモンスターではなくて、
誰の心にも現れる凶暴さだと思う。
本作では、ダニーは自分の過去や、ホテルから引き連れてきてしまった亡霊を
自分の心のなかの "あの" ホテルに閉じ込める。
自堕落でも、シャイニングは使わない生活をしているが、
より強いシャイニングを持つ、少女と出会ってしまう。
少女は、シャイニングを持つ野球少年が、
シャイニングを食い物にして、半永続的な命を手に入れている集団に
無残に殺害されたことを知り、戦おうとする。
少女ならではの、無鉄砲や相手に挑む気持ちも
非常に心地よい。
(今よりも若いころはもっと世間自体に怒りをきちんと感じていた)
人間の本性や、誰もがもつ凶悪性はもちろんだけど、
私が注目するのはシャイニングを食らう人々。
ローズという女性をリーダーに半永続的に生きる人の集団なのですが、
ローズは共同体という仲間を手に入れたことを言っていた。
だれもが人を傷つけてしまうかもしれない凶暴性を持ちながら、
共同体で生きる意味を探しているんだろうと思った。