★ダイナー
大好きな蜷川実花作品。
原作は漫画で読んでおり、
漫画はまだ完結していないから、オリジナルストーリーをどう着地させるか見たかった。
蜷川実花さんの人脈を生かしたであろう華々しい出演陣。
藤原竜也さんって演技うまいのねえ。
お父さんにしごかれただけある!
蜷川ファン(私を含む)にとっては満足のいく作品。
まるで写真集を見てるみたい。
ただし、主人公はボンベロ(藤原竜也)じゃなくて
玉城ティナちゃんな気がする。。。
そして、料理は、ハンバーガー以外あんまり出ないのがちょっと残念。
ティナちゃん(大場かなこ)の
「周りを信じなくなった、自分を誰も信じなくなった。
そうしたら誰もいなくなって、透明人間みたいになった」というセリフが好き。
お母さんに捨てられたと思っている
ティナちゃんだが「お母さんが見つけてくれるように、レストランがしたい」って
言ってたけど、ボンベロと出会って
「ボンベロのおいしいって言ってもらえる、自分のためのレストランがしたい」って
言ってた。
料理って、食事ってやはり人、生き物の根源だな。
もっと手間をかけよう。
プラスチックの器は使わないようにしようと思いましたw
★おいしいコーヒーの真実
いかに珈琲豆を作っているエチオピアの農家の人が搾取されているかの話。
たしかに、スタバとかで珈琲を頼むと、400円はするよね。
「飲み物ってそんなに高いものなのか?」と
よく考えてみたら感じるよね。
ものすごく安価で珈琲を作る農家から、
私たちに届くまでに、6回も業者が中間に入るそう。
つまり6回、手間賃が上乗せられているってこと!
そりゃあ、高くなるよね。
主人公らしい主人公はいないけど、
エチオピアの珈琲農家組合みたいな人が
フェアトレードに頑張る姿もうつってる。
農家への連絡網や、国際会議、見本市に奔走する。
こういうのは足並みそろえないと難しいよね。
新しい知識としては、珈琲豆の価格が下落して、
儲けが少なくなったため、農家は麻薬として使われる葉っぱの栽培に切り替え始めていること。
彼らにとっては生活のためしょうがないこと。
搾取の帳尻は結局麻薬になって、先進国にも影響を与えそう。
あとは、農家の人が、本心なのか、
女の子も同じかわからないけど、
「お金があれば、子供を学校に行かせたい」って言うの。
自分たちの苦労や、より良い将来を子供にって思っているんだね。
★噂のモーガン夫妻
夫の浮気などでぎくしゃく別居していたモーガン夫妻。
(ヒューグラント+サラジェシカパーカー)
今後のことを話し合っていたら、
殺人現場を目撃してしまい、捕まらぬ犯人に狙われる日々。
警察から、目撃者として殺されないように
夫婦で田舎に強制送還ww
携帯も没収!!
ぎくしゃくした仲の人と
強制的に田舎で暮らすシナリオになったら困るなあ。。。
自分の両親でさえ、田舎で二人っきりだったら困るもの。。。
ヒューグラントはちょっと情けない男の人役
似合うなあ。。。苦笑
筋は知らなかったけど、なんとなくコミカルに着地できるんだろうなあって
安心して見れました。
なお、犯人の殺し屋もちょっとドジだったりして、
いい塩梅です。
サラジェシカパーカーは不動産ブローカーなんだけど、
不動産屋さんってこんなにキラキラしてるのねw
日本とアメリカで大違いだ!
https://www.amazon.co.jp/dp/B00FIWT46Q
★パガニーニ
バイオリニストの鬼才、パガニーニの人生の一部を描いた作品。
4億のバイオリンをデビット・ギャレットというバイオリニストが
実際に弾き、演じているという素晴らしさ。
(俳優さんが演じて、手の部分はプロという状態ではないのがいい)
注目されるために、過激だったり道化の演目を弾き続ける
売れないパガニーニ。
それに目を付けた敏腕マネージャー。
どんどん売れるパガニーニ。
酒、女、ヤク、どんともってこーーい!
カジノも作っちゃうぞー!
ロンドンにツアーに行った際に
美しい女性とたまたま出会い、素人の彼女と一緒に演奏する。
少しの時間に、彼女に心を奪われるパガニーニ。
しかしながら、周りの策略により、破局。
何度も謝り、一緒にコンサートをしようとするパガニーニに、
スキャンダルを生かし、自分ひとりでツアーを開始してしまう女性。
女性、したたか!!
有名になった人は、その影響力でまわりを焼き尽くしてしまうことに
いつも苦悩して、孤独に悩んでいる傾向にあるね。
最終的にその破天荒さから、
教会への埋葬が拒絶されるパガニーニ。
どんだけの悪行やねんwww
教会という存在にとっては悪魔で怠惰的だったのかもしれない。
周りの人、マネージャー、息子、
そのあたりの話や、小話、エピソードはほぼゼロ。
最後は、孤独に持ち逃げしたお金で、
故郷イタリアで自分の音楽を譜面におこして、死んでしまう。
「神を出し抜いてみせる」という心意気に、
熱量に圧倒される作品。
★ ウルフ・オブ・ウォールストリート
シャッターアイランドからハマっているレオナルド・ディカプリオ作品。
"破天荒"・"野望" を人間にしたら、こういう人なんだろうと思った。
主人公は、証券マン。
ブラック・マンデーで勤めてた証券会社がなくなり、
超絶田舎のやっすい株取引をしている会社に入る。
ペニー単位の株を持ち前のトークで売りまくる。
たまたまカフェで出会った人とドラッグにはまり、
そのまま自分の証券会社を掃きだめみたいな連中で作る。
のし上がることのすごさ。
本当に、これ全部やったら、、、身体壊しそう。。。苦笑
でも、それでも会社や上り詰めることに固執できることは尊敬する。
仏教で行くと、強欲で確実に罪だけど、
自分の経験や才能をマニュアル化して、
タダでは起き上がらないところがすごく好きだ。
脳みそがキレキレになる瞬間を何度も見る。
すべてを失っても、また立ち上がる力。
その商魂に私も9時~17時の間は私も身を売ろうと思った。
ヤル気がなくなったときに観たい映画である。
ウルフになれるように。
★ 鑑定士と顔のない依頼人
パイレーツオブカリビアンのバルボッサ役、ジェフリーラッシュ主演。
結末はハッピーエンドかバッドエンドか議論ができる
"クリスマスキャロル" って感じ。
主人公は、古い邸宅から技術品を買い入れ、
オークションにかける鑑定士。
天涯孤独で、親がいなくなったあと、
孤児院で罰として手伝わされた絵画修復の経験を活かし、
美術品を見て、自らは女性の肖像画を集める日々。
妻はおらず、女性の肖像画を手に入れるために
売れない画家と手を組みつつ、オークションにいそしむ日々。
そんな彼に大きな邸宅をまるごと鑑定する依頼が届くものの
依頼人は過去のトラウマから外に出られない女性。
壁越しに品物の鑑定をしつつ、女性を一目見たい情動にかられる主人公。
女性と心を通わせ、オークションからも引退し、
これからは女性と暮らそうと思った矢先。
裏切りにより、女性と女性の肖像画すべてを失う。
あらすじだけでも書ききれないし、
多すぎず、でも多彩な登場人物にも心を打たれる作品。
なにより、私は「孤独な老人が依頼人に恋をし、依頼人がトラウマを乗り越える過程で自分自身も人を愛することに気づいたハッピーエンド」を想定していたので、
最後に、ホスピスで抜け殻のようになった主人公を見て
驚愕した。
アクションではないが、ある意味スリル満点。
じゃあ、騙された主人公は不幸のどん底に落とされた、
悲しい、恨みで一杯の作品かというとそうではないと思う。
最初は、裏切った仲間に恨みや怒りもあったと思う。
しかしながら、思い出の地を巡る度、旅、
ああ、みんなグルだったんだな。。。と思いつつも、
人を愛した経験を最後にできたことに心に水を与えられた感情があったと思う。
それが故に、悲しみは深くなったかもしれないし、
愛した女性と過ごせない(しかも騙されていた)ことに
寂しさも感じられたかもしれない。
主人公に感情がまったくなく、冷徹だったとは思わないけど、
人生の最後に、あらゆる今まで体験しなかった感情が
洪水のように押しかけてきたんだと思う。
私は、日々、感じることを大切にしようと思った。