★ ヴァイオレット・エヴァーガーデン
京アニは心の震えを情景と共に描くのが非常にうまいなぁと思いました。
ストーリー的には、オチが少し見える話もある。
それでも涙がじんわり出て、心が小刻みに震える。
主人公ヴァイオレットの出生などについて多くは語られないので、
別編でぜひお願いしたい。
主人公は、孤児で戦争でたくさんの人を殺めた名前もなかった少女。
拾われた軍人に言われたことの意味がわからず、
わかるために自動書記人形としての仕事を戦後受ける。
戦後は、文字が読めない人が多い中、
それでも手紙や記事を出したい人が多いので、
代筆屋さんが必要なのである。
それが自動書記人形。
最初は、依頼人の意図を汲んで、手紙の文面に落とし込むことができなかった
ヴァイオレットちゃん。
徐々に国のいろんなところに出張し、
いろんな話を聞くうちに、感情の震える幅を増やしていく。
「愛してる」の意味も少しわかるのです。
感情は先に感情があって、そのあと、その感情に名前がつくのだろうか。
心が重く、いない人を思うと締め付けられる気持ちが先にあって、
それを「寂しい」と思うのか。
それとも、「寂しい」という言葉あって、そこに感情を当てはめるのか。
どちらにせよ、語彙があればあるほど、
人の深みや幅が広がると思いました。